ラグビーの戦い方 キック戦術の実践 (マルチアングル戦術図解) [ 土井崇司 ]
昨日の日本対南アフリカ戦は非常にレベルの高い試合だった。
9番、10番それぞれからの精度の高いハイパント。ディフェンスからはとりづらい絶妙な位置に落とされた。
ハイパントを警戒し前ががりになると、ディフェンス裏へロングキック。
完全にやられた。ワールドカップ本戦では無くて良かったとさえ感じられる試合だった。
日本はパシフィックネーションズカップでかなりよいアタックができていたが、そのあたりでは、精度の高いハイパント攻撃で崩してくるといったチームは無かった。
ただ、昨日はこのハイパント処理にてこずり、そしてもちろん南アフリカのフィジカルにも押されテンポを出した攻撃が継続出来なかった。ハイプレッシャーの中でハンドリングエラーも目立った。
最大の焦点となるであろうスコットランドにもレイドローという素晴らしいキックのスクラムハーフがいる。
ハイパントからのアタックは南アフリカが日本をリスペクトしながらもプレゼントしてくれた大きな課題ととらえたい。
さて、話は変わるが今年の早稲田も南アフリカが行っていたこのハイパントからの攻撃をやっても面白いかもしれない。
2年前に、大学選手権で東海大とあたったときに、外国人対策で、スクラムハーフの齋藤君からタタフ君などの強いランナーにハイパントをあげ、そこにプレッシャーをかけることで走られないような対策をとっていた。
後半の最初くらいまで、この戦法が上手くはまり、接戦に持ち込んだ。後半は点差が開き徐々に離れてしまったが、、、
あの時は、どちらかというと凌ぐための戦略であったが、今年は攻めのオプションの1つとして良いのではないか。
今年の早稲田は、齋藤君、岸岡君と精度の高いキックを蹴れるキッカーがいて、ディフェンスが強い。
そしてハイパントとなるとノッコンが増えるが、スクラム強化も進んでいる。
桑山君や河瀬君にハイボールを競ってもらってマイボールにする。
レベルの高いチームだからこそ遂行し、アタックオプションの1つに出来るはずだ。
岸岡君あたりは昨日の南アフリカ戦を見てイメージをふくらませているだろう。