変化

23年ぶりの早明戦での決勝戦
令和初
新国立のラグビーにとってのこけらおとし
60000人近い観客

このようなメモリアルな試合の軍配は早稲田にあがった。

対抗戦が終わり、1ヶ月で変わってきた早稲田と変わらなかった、正確に言うと変わる必要がなかった明治で明暗が別れる形となった。

昨年と同様、12月の早明戦と大学選手権決勝の結果は逆転した。

ここに1つ難しさがある。
勝った方は、なかなか変化することが難しい。今回は明治は対抗戦は全ての試合でほぼ思い通りの完勝での優勝であった。特に後半の、慶応、帝京、早稲田と上位校に対してやりたいことがやれていた。

一方早稲田は、早明戦に負けてから、明治との再戦に勝利し、大学選手権を制覇するには変わるしかなかった。それほどの完敗だった。この一ヶ月Rebornを掲げ、勝ちポジなどのこだわりとあわせて、基本を、そして早稲田の強みを徹底的に振り返り続けたのだと大学選手権の3試合を見れば容易に想像がつく。

たった3週間ほどの準備を経て、大学選手権に入り薄々早明両者の勢いというか、調子に逆転現象が生まれてきたのが感じられた。

早稲田は展開の選択を増やし、不安定だったセットプレーを改善、いや強みに近いところまで進化させてきた。一人一人のプレーが伸び伸び、軽やかに変化していた。

一方明治は、これまで磐石の戦い方をしてきた。そして、プレーや戦術を大きく変える必要はなく、そのまま選手権に突入してきた。ただ、負ければ終わりのトーナメントで関西学院や東海大は、必死になって研究し、チャレンジャーとしてアグレッシブにプレーしてきた。そんな相手にどこか受けてしまい、それが固さにつながり、実力差があったであろう相手と接戦となった。

よく、変わり続けることが大切だとか、変わらないことは、停滞ではなく衰退と言われる。

変化することはそんなに容易ではないが、両者の選手権に入るまで、入ってから決勝までの勝ち上がりの流れや勢いが決勝戦の前半にそのままあらわれてしまったように感じた。

後半を見れば分かるように明治の実力、底力は凄かった。シーズンインから勝ち続けてきた者の難しさがここにある。