「夏を制する者が秋を制す」——菅平前に想うこと

今年もこの時期がやってきた。菅平合宿を前に、緊張と期待が入り混じった空気が漂う。

早稲田ラグビー部にとって、夏合宿は単なる「強化期間」ではない。過酷な練習、共同生活、試合と試合の間に垣間見えるチームの変化、仲間との衝突、乗り越えた先の信頼関係……それらすべてが「秋の成果」の礎となる。

思い返せば、過去この合宿を境に変わったチームが秋以降良い結果を残してきた。目の色が変わり、リーダーの声に重みが生まれ、ノンメンバーがメンバーを凌ぐ気迫を見せ始める。表層的な「強いチーム」が、本当の「勝てるチーム」になるきっかけがここにある。

とはいえ、勝負はそんなに甘くない。去年、大学選手権決勝で味わった悔しさも、すべては今、どこまで本気になれるかにかかっている。チームの課題を一つ一つ潰して、「勝つチーム」へと変貌し、王者への階段を登っていく

誰が主役になるか、誰がチームを変えるのか?スター選手が揃う中でメンバー1人1人の努力の積み上げが部の力のなる。

今年の夏は、誰が覚醒するのか。どの瞬間が、秋の歓喜につながるのか。

楽しみでならない。